タイで生活していると、電車などの交通機関や店舗の中、道端など、至る場所でスマートフォンを操作している人をよく見かけます。画面を覗き見すると、大抵の人がSNSや検索など、インターネットを利用しているように見えます。
実際のところ、現在タイではどのくらいの人がどのようにインターネットを利用しているのでしょうか。その実態について調べました
情報収集に役立つ資料
We Are Socialが発行するレポート
We Are Socialはイギリス・ロンドンが本拠地の世界各国に拠点を持つグローバルエージェンシーです。主にSNSコンサルティングなどを手掛けており、毎年世界各国のインターネット利用状況に関するボリュームあるレポートをWebサイト上で発表しています。
本記事ではこのレポートから内容を抜粋し(タイは67ページから)、またイメージしやすいように、日本の状況との比較を交えながらタイのインターネット利用状況についてお伝えします。
タイのインターネット利用状況
インターネット利用率
2018年1月時点でのタイのインターネット利用率は人口の82%、人数にすると5,700万人になります。2017年1月時点の利用率は人口の67%、4,600万人だったため、1年間で約24%増加しています。
(2017年1月の状況)
対して日本のインターネット利用率は人口の93%(増加率は前年比0.6%)で高水準が続いていますが、タイも急激にこの状態に近付いてきていると言えます。
利用デバイス
タイの多くの人々がインターネットを利用していることは分かりました。しかしインターネットと一言で言ってもスマートフォンやPC、タブレット、ウェアラブルデバイスなど様々なデバイスがありますが、実際にはどのデバイスを利用しているのでしょうか。
タイのデバイスの利用率は、PCよりスマートフォンが高いです。日本では逆で、スマートフォンよりもPCの利用率が高く、またスマートフォンの利用率は日本よりもタイの方が高いです。日本ではPCからじわじわと、タイではスマートフォンから一気にインターネットが広がったことが分かります。
インターネット利用時間
タイの人々は、1日のうちなんと9時間半もインターネットを利用しています。24時間のうち睡眠を7時間、起きている時間を17時間とすると、起きている時間の半分以上をインターネットに費やしていることになります。またそのうちの約3割の3時間をSNSが占めています。ストリーミング型の音楽配信サービスの利用も多いことが分かります。
対して日本はどの項目もタイより少ないです。
日本でも色々な場所でスマートフォンを操作する人を見かけるためインターネットの利用時間が多いように見えますが、こうして数字で比べると、いかにタイの人々がインターネットのヘビーユーザーであるかが分かります。
デバイス別のインターネット上トラフィック
インターネット上のトラフィックのデバイス別シェアは、タイと日本で真逆になります。
タイでは全トラフィックの約3割がPC、7割がスマートフォンです。
日本では逆で、PC7対スマートフォン3になります。タイではスマホに最適化されたプラットフォームの重要さが分かります。
タイのSNS利用概要
SNS利用率
タイのSNSユーザー数は5,100万人で、人口の74%です。冒頭でご紹介したインターネット利用者数が5,700万人であるため、そのうちの約9割がSNSを利用していることになります。
日本では総人口の多さから、SNSユーザー数自体はタイよりも多い7,100万人ですが、これは人口の56%、インターネット利用者の60%になり、SNSの利用率はタイよりも低いと言えます。
利用SNS
よく利用されているSNSは、FacebookやYoutube、Instagramなど世界的にメジャーなものが、タイと日本双方で上位にランクインされています。
日本ではTwitterがFacebookよりも上位にランクインしており、Twitterの強さが見えます。
Facebook利用状況
タイの月間Facebookアクティブユーザーは5,100万人で、タイのSNSユーザー数と同じです。タイのSNSユーザーイコールFacebookユーザーと言えます。
日本のFacebookアクティブユーザー数はタイよりも少ないです。
Facebookユーザーの年齢別内訳です。タイは10代後半~30代前半の若者が最大ボリュームゾーンで、40代以降になると一気に少なくなります。
日本のボリュームゾーンはタイより少し後ろで、20代中盤~50代まで幅広い世代が利用しています。
タイと日本の人口ピラミッドは似ていて両国とも少子化なため、この年代別Facebookユーザー層の違いは興味深いです。
Instagram利用状況
一方でInstagramの利用状況は、タイと日本で似た傾向が見られます。タイは人口の19%、約1,300万人がアクティブユーザーです。
それに対して日本のInstagramアクティブユーザー数は人口の17%の2,200万人と、タイと同じような割合です。