B2B企業がお問い合わせ獲得数向上に成功している施策をご紹介します!

近年B2B企業様から「お問い合わせを増やしたい」というご相談が増えてきました。展示会やセミナー、電話、直接訪問といった営業手法がほとんどだったB2B企業でしたが、新型コロナウイルスの流行に伴い、タイ政府からも外出、対面に関する制限がかかり、そういった営業活動が 困難な状況です。この制限下、タイでも多くのB2B企業が営業活動の基軸をオンラインへシフトしています。今回はB2B企業が取り入れるべき具体的なオンライン施策についてご紹介します。

はじめに

新型コロナウイルスの蔓延もきっかけですが、数年前から多くのB2B企業様から「過去にウェブサイトは作ったものの、実際にはオンライン商品カタログといった用途でしか活用できていない」「ウェブサイトにビジネス創出の役割をそれほど期待していなかった」「どのようにデジタルにシフトするべきか、何をしたらいいかわからない」というお問い合わせが寄せられるようになってきました。
「集客」はビジネスサイクルの起点であるため、各企業はそれぞれに適した営業戦略を展開してきましたが、ここしばらくタイでは、対面でのアプローチが困難になっているため、この「集客」をどうオンラインで実現していくのかが重要になるわけです。オンラインで集客で核になってくるのが企業の顔である「ウェブサイト」です。まず、マーケティング施策であるアウトバウンドとインバウンドのおさらいをしながら、B2B企業がどのようにして見込み顧客からお問い合わせを獲得していけるのか、その流れをご紹介します。

アウトバウンドマーケティング

アウトバウンドマーケティングとは、企業側から既存顧客や見込み顧客に対して、電話や訪問など外向きにダイレクトなアプローチを行っていくマーケティング施策のことを言います。コロナ前、B2B企業が一般的に行っていた営業活動がこのアウトバウンドマーケティングになります。

インバウンドマーケティング

一方、インバウンドマーケティングは、見込み顧客側から必要な製品やサービスを求めて企業側にコンタクトを取ってもらうマーケティング手法です。見込み顧客に向けて情報やサービスを提供しながら関係を作り、成約、顧客へと育成していくことで顧客価値を上げ、企業の成長に繋げていきます。
まだまだ多くの経営層が「ウェブサイトを立ち上げれば自然に見込み顧客に見てもらえるだろう」という誤った認識をお持ちですが、ウェブサイトを立ち上げただけではいくら待っても自然にアクセス数が増えることはありません。
インバウンドマーケティングを成功させるためには、接点となる「ウェブサイト」を充実させ、アクセスしてもらうための施策を実施する必要があります。
タイでは「xxの情報が欲しい」「xxを導入したい」と考えるユーザー(見込み顧客)は、Google検索を使用しますので、いかに自社ウェブサイトをGoogleに認知、評価させ、検索結果上位に表示してもらうのかがテーマになります。Googleの検索結果に表示された自社ウェブサイトにアクセスしてもらい、求める情報を回遊・閲覧してもらいながら最終的にコンバージョン(お問い合わせや会員登録など)に繋げていく流れになります。

さらに現在では、アウトバウンドマーケティング手法で見込み顧客に接触、商談に繋げることができたとしても、その場で成約まで到達するケースは稀で、顧客企業は改めてGoogleで検索を行い、貴社や競合他社のウェブサイトで比較検討を行うのが一般的です。
また、対面での商談をせずとも、企業認知や製品認知、さらに購買決定までのプロセスをウェブサイト上で完了できるため、アウトバウンドマーケティングを行う必要性が徐々に薄れてきています。
弊社クライアント企業様の中にも自社の主要な既存顧客から「もう営業担当がわざわざカタログ持って訪問しないで欲しい。こちらで社内検討するからウェブサイト上で最終検討までできるようにして欲しい」と要請された事例もございます。
このように、ウェブサイトをいかに充実させ、差別化を図りながら閲覧ユーザーに有益な情報を提供していくのか、が見込み顧客獲得にとって最も重要なポイントになっているので

ウェブサイトの重要性

このデータが示すようにウェブサイトの重要性は極めて高くなっており、従前の営業訪問やカタログ・パンフレットといったツールよりもウェブサイトでの情報収集が当たり前になってきています。
当然ながらB2B企業においてのウェブサイトの売上貢献度は、店頭やオンラインマーケットプレイスで商品購入できるB2C企業に比べると大きくなります。

B2B企業の目指すインバウンドマーケティングの基本的な流れは、見込み顧客にウェブサイトにアクセスしてもらい、サイト内で提供している情報コンテンツを回遊してもらいながら最終的にお問い合わせに繋げ、成約、売上向上を図ることにあります。

その実現のため、ウェブサイトが果たす役割は大変大きいとご説明しました。ユーザーがどのような目的で自社サイトを発見してアクセスしてくれたのか、サイト内をどのように回遊し、どのページを長く閲覧したのか、求めていた情報を入手してサイトを離脱したのか、といったユーザーの行動をきちんと把握分析することで、最終的に「お問い合わせ」や「資料請求」、「会員登録」といったコンバージョン(CV)の数値が大きく変わってきます。
したがって、ウェブサイトではアクセスのしやすさ、デザインやレイアウト、使いやすさ、見やすさ、欲しい情報までの導線がきちんと引かれているか、見込み顧客が求める情報を的確に提供できているか、などを一つ一つ押さえながら作る必要があり、何をどう改善していけばいいのかをデータで掴むことがビジネス成果に繋げていくための重要なポイントになります。

ウェブサイトを核にしてビジネスに繋げていく具体的な施策

実際にウェブサイトを核にしてB2B企業ではどのようにしてビジネス創出をしているのか、を紹介いたします。
まずユーザー行動の把握です。ウェブサイトを核にしてビジネスに繋げていくためには以下のフェーズにそれぞれの施策を実行していく流れになります。

フェーズ1: 集客
フェーズ2:誘導・リマケ・リード獲得
フェーズ3:リード育成・商談

フェーズ1の「集客」では、「どのようにアクセスを向上させるか」、「どのように潜在顧客との接点を作っていくか」についてお話いたします。顧客接点を作る施策には大きく分けて3つあります。

1. SEO施策

Googleの検索結果ページの上位に表示させるために必要な施策です。SEO対策を行い、ウェブサイトを検索結果ページの上位に表示させることで集客を増やし最終的にサイトの目的になる「お問い合わせ」や「資料請求」といったコンバージョンの達成に繋げていきます。ユーザーは何かしらの課題を抱えていて、その課題や問題を解決できる「答え」をネット上で探しています。そのため、検索から流入したユーザーの検索意図を推定しながらユーザーが求めているであろう情報をサイト上で提供してあげることが必要です。
また、そのコンテンツ内容もユーザーが探しやすいような導線になっていたり、読みやすい構成になっていることも重要になってきます。B2B企業の場合、サービス内容や事業内容がオンラインカタログのような形で提供されがちなのですが、ユーザーは「ここからどうすればいいかわからず不親切」とあまり満足が得られないまま離脱してしまうケースが多いのです。自社のターゲットとしてるユーザーの検索意図を推測しながら、そのユーザーにとって満足できる有益な情報を提供できなければ検索結果上位に表示されることは難しいのです。

2. SNS運用施策

タイの人口8割のユーザーが利用しているソーシャルメディア媒体(Facebook, Instagram, Youtubeなど)を顧客接点として継続的に運用し、集客に繋げていく施策です。企業の情報を発信する役割のみでなく、ユーザーとのコミュニケーションを通してエンゲージメント(ユーザーとの関係)の強化を図る活動が可能になります。ソーシャルメディアは自社のターゲットと違うと誤解されがちですが、タイではビジネス情報収集の手段として最も活用されている媒体でもあるため、B2B製品やサービスであっても有効なのです。ソーシャルメディアを活用しながら「もっと詳しく」とウェブサイトへ流入に繋げる。ウェブとSNSをうまく連携させることでお問い合わせに繋げていくことが可能になります。

3. 広告配信施策

ターゲットが閲覧するウェブサイトに製品やソリューションの広告を表示させ、そこから自社サイトへの流入を図る施策です。

もちろんその他にもオフラインで実施されるイベントなどを組み合わせた流入施策もありますが、集客イベントなどが制限される中、基本的にはオンラインで完結できる施策が中心になっています。
企業のサービスや製品によって施策の詳細は異なりますが、主に上記の3つの施策を適切に組み合わせながら実施し、ユーザーにウェブサイトにアクセスしてもらいます。お問い合わせに繋げていくためにはまずはウェブサイトの存在を知ってもらい、できるだけ多くの見込み顧客層にアクセスしてもらう必要があるからです。その後は、上記のフロー図のように、それぞれのユーザー行動に対して適用する施策を分けながら効率的に育成していきます。

ウェブサイト「集客」後のアクセス解析の重要性

こうしてサイト訪問数を増やすのと同時に重要になるのがウェブサイトアクセス解析です。アクセス解析ツールを活用することで、

  • サイト訪問者の行動
  • 多く見られているページ
  • 最も流入があったのはどこからか
  • お問い合わせページにたどり着いた前のページはどのページだったのか

などなど
様々な指標を可視化することが可能になります。数多くアクセス解析ツールがありますが、弊社ではGoogleが無償版も提供している「Google アナリティクス(GA)」を活用しながら専門家チームが解析、行動分析を行います。サイト全体のアクセス数やユーザー数、特定ページのユーザー行動などをきちんと把握することで、サイトがどのようにユーザーに回遊、閲覧されているのか、サイトの現状を明確に把握することができ、仮説を立てながら課題抽出や改善施策へと繋げていくことができます。
例えば、「トップページに訪問した多くのユーザーが会社概要のページに遷移してすぐに離脱してしまっている」などの特徴がわかれば、会社概要ページの情報を充実させたり、ページ内に他の詳細ページへの導線を作ってあげるなどの改善策が考えられます。「サイト訪問数はあるにもかかわらずお問い合わせや資料請求に全くつながっていない」という現象であれば、到達するまでのボトルネックはどのページなのか、離脱につながるコンテンツはどれか、また問い合わせフォームは利用しやすいか、など様々な仮説、検証を続けます。
さらに「Facebook広告からのユーザーはブログやコラムページを時間かけて閲覧した後、サービス詳細ページに遷移する」といったデータが示されれば、Facebook広告の広告出稿費を増額して流入数を増やしながらブログやコラムページの記事を増やしていくなどの施策を考えることができます。
多くのB2B企業の場合、「お問い合わせ数」や「資料請求」などがあげられると思いますが、それぞれの目的によって、サイトアクセス解析の指標が異なり、改善施策も変わるため、まずは、ウェブサイトで達成したい目的を明確にしておくことが重要になります。

以上のようにユーザー層ごとのサイト内行動を把握した上で、関係作りをしていきます。
サイトに訪問してすぐにお問い合わせ、一気に商談というケースもありますが、多くの場合ユーザーは他社比較などもしながら何度かリピーターとしてサイトを訪問することになります。そういった「興味・関心はあるけれどまだ決断には至らない」ユーザーとの関係をとぎらせずにお問い合わせまで促していきます。
ユーザーをリードへと育成するわけです。
それには、行動データを元にしたリターゲティング広告(サイトを離脱した後も興味を持ってもらった製品やサービスの広告で追いかけていく広告)やホワイトペーパーのダウンロード(欲しいデータを提供する代わりにそのユーザーのコンタクト情報を登録してもらえます)、ウェビナーへのご招待、製品動画の配信など様々なアプローチで興味・関心をキープしてもらい、コンバージョンへと導いていくのです。

もちろんその過程で完全に離脱してしまうユーザーもいますが、できるだけ多くのコンバージョンを獲得できるかがビジネス創出、売上貢献にかかってくるのです。
今回はフェーズ1の「集客」への施策について紹介しました。次の記事ではフェーズ2の「誘導・リマケ・リード獲得」について解説していきたいと思います。

弊社では以下内容をご支援させていただいております。

ウェブサイト制作

デザイン企画から構築まで

ウェブサイト公開後のウェブサイト運用

コンテンツのアップロードや画像の差し替え作業

SEOサポート

ユーザーの検索意図をもとにどのようなSEOコンテンツを作成するべきかなどのコンサルテーション及びフォーマット作成

ウェブサイトアクセス分析

Google アナリティクスのレポート作成のみでなく、ユーザー行動の分析による課題抽出や仮説設定、改善施策のご提案まで

広告配信

キーワード分析、バナーデザイン制作、動画制作

SNS運用

コンテンツ作成、投稿運用、ユーザー反応の検証、分析、改善施策のご提案まで