CRM支援
はじめに – 現代のビジネスの困難さ
現代は以下の要因から企業同士の競争が激化しており、ビジネスは困難さを増しています。
消費者の選択肢が多い
市場にはものが溢れており、消費者は多くの選択肢を持ちます。また消費者ニーズは多様化し、ニーズの変化のスピードも速いです。
容易に情報にアクセス可能
現代はインターネット上の口コミサイトやSNS等で、いつでもどこでも手頃に製品・サービスの機能や価格を容易に比較できるため、顧客を失うリスクも高まっています。インターネット上の口コミサイトの内容は自社ではコントロールが出来ないため、ポジティブな内容であれば良いのですが、ネガティブな内容の口コミは特にダイレクトに購入心理に影響します。
技術トレンドの急速な変化
最新の技術を使って新商品や新サービスを投入しても、その技術自体がすぐに古いトレンドになったり、また短期間で他社に追従されたりして、自社の優位性を保つことが困難になっています。
そんな中、多くの企業で収益強化のために行われている施策はこれらではないでしょうか。
- 広告、プロモーション強化
- ディーラーインセンティブ強化
- ディスカウント
しかし、これらが実際にどれだけ収益に貢献しているかを認識している企業は少ないのではないでしょうか。
次のグラフは、S&P500企業の平均寿命が下がっているというアメリカのレポートです。ビジネス環境が複雑になっていることで会社存続がより困難になっていることを表しています。
(出典) : https://www.cnbc.com/2017/08/24/technology-killing-off-corporations-average-lifespan-of-company-under-20-years.html
1950年代には60年あった平均寿命が、2012年には20年以下と、約40年も短くなっています。 この現象はグローバルなトレンドとなってきました。 現代の目まぐるしい環境の変化に対応し、企業を存続させ、さらに成長させて行くためには、顧客価値を最大化することが求められています。
弊社では、企業の成長のために最も重要な要素である 「無駄な経費を削減しながら売上を向上させる」 を実現するCRMの活用(後述)を提案します。
LTVとは
LTVという言葉をご存知でしょうか。またはご存知の場合、自社の顧客のLTVを把握していますか。
LTVはLife Time Valueの略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。これは一人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益の総数のことです。
高LTV顧客の重要さ
全体の売上の大半が数少ないリピーターからのものである、ということはあらゆる業界で見られる現象で、パレートの法則(2:8の法則)とも呼ばれます。言い換えると、数少ない高LTV顧客が多くの売上をもたらしてくれるということです。実際に弊社が支援させて頂いているお客様でも、売上の7~8割を顧客全体の2~3割のリピーターが生み出している、という現象がよく見られます。つまり、リピーター(高LTV顧客)を多く抱えることが会社の売上にダイレクトに貢献することになるのです。
現在企業が行っている広告宣伝や販売促進等のマーケティング施策内容は、その対象を過去購入者と新規購入者に区別することなく画一的に行われるマス・アプローチがほとんどです。しかしこれだけでは、安定的な売上に繋がるリピーターの獲得は難しく、自然にリピーターになってもらうのを待つしかありません。
既に購入をしてくれた顧客に対しては、マス・アプローチではなく、後述するCRMを実施することで、自ら積極的に顧客に働きかけ、新規顧客をリピーターへと育成することが可能になります。
CRMで何をするのか – 顧客中心思考 –
CRMでは「条件Aを満たす顧客グループにAAというアクションを、条件Bを満たす顧客グループにはBBというアクションを実行する」というように、いかなる場面でも「顧客」を発想の起点とします。そのために顧客データを蓄積・管理して様々な角度から分析を行い、自社の顧客層を具体化し、各顧客層に合った施策を計画・実行・結果検証と改善活動を行い、この一連の流れ(PDCA)をCRMにて継続して回します。
1. 顧客データの収集環境整備や開発
CRMでは「顧客」を発想の起点としますが、そのために顧客データは欠かせません。顧客データは以下のようなものです。
(基本属性)
名前、メールアドレス、電話番号、住所、性別、年齢、職業等
(購買情報)
商品、購入金額、購入場所、サポート履歴、ワランティ状況等
(アクセス情報)
自社サイト利用状況(ログイン履歴、サイト内コンテンツの閲覧履歴等)
既に上記のような顧客データが手元にある場合でも、CSV、Excel等のデジタル形式のものや、アンケート用紙、ワランティ用紙などの紙のものなど、異なる様々な形式のデータが社内に散在しているという状況がよく見受けられます。
このような場合は、データ形式の整理や統合、そのままでは利用できないデータのクリーニングをして、データをCRMに活用するための下準備を行います。
また、上記のような顧客データが自社には無いという場合は、まず顧客データが自社に蓄積される仕組みを作ります。仕組みの例としては、購入した製品のワランティ情報がオンラインで確認できるワランティサイトや、会員登録することで会員限定のコンテンツや体験が楽しめる会員サイト等が挙げられます。弊社では、「顧客データのCRMへの活用」を念頭に置き、そのために適切なサイトの設計・開発を行います。
2. 顧客の見える化(顧客データ分析)
集まった顧客データを分析し、これまで御社内では見えていなかった顧客購買傾向や優良顧客層を探り出していきます。効果的な顧客アプローチを実施するためには顧客の見える化が欠かせません。「この価格帯の商品はどのような顧客が購入しやすいか」「アップセルやクロスセルの訴求はどの顧客に向けて行えば成果が出やすいか」など、顧客へのコミュニケーション計画に必要な要素を明確にしていきます。
3. コミュニケーション計画の立案
顧客データ分析結果をもとに、具体的なコミュニケーション計画を作成します。対象顧客層(顧客セグメント)、期待するアクション(目的)、コンテンツ概要、コミュニケーション手段(メール、電話、SNS、SMS、広告等)などの計画を、顧客データ分析結果と御社のご意向を元に立てます。
4. コミュニケーション計画の実施
各顧客セグメントに対してどのようなコンテンツやクリエイティブが目的を達成する上で効果的なのかをしっかりと考えた上で、実際のコンテンツ制作を行い、計画を実施します。
5. コミュニケーション計画実施の結果確認
メッセージ開封率やキャンペーン参加者数など、目標数値と実際の数値の差はどれくらいあるかを確認します。
6. 結果分析
実際の結果が目標に到達した場合もしなかった場合も、その結果となった要因を分析し、今後のコミュニケーション計画の改善に活かします。セグメント、コンテンツ、コミュニケーション手段、タイミング、ユーザーがコンバージョンに至るまでの導線など、要因として挙げられる点は複数出てくるものです。効果的なCRMの実現には、この結果分析が何より大切になります。
CRM運用はその国や地域によって事情が異なります。弊社では、タイとマレーシアを本拠として実績を積み上げて来た強みを最大限に生かして、現地の社会、現地のビジネス環境、現地の顧客視点を元にしたCRM運用支援をしております。